『von-Gierke・華音』/川村 透
 
もしびのように前に掲げて、人と人との間で
   真摯に生きてゆけますよーに。


--von-Gierke
 フォン・ギエルケ
 不協和音

僕は
ひとつぶの黒い葡萄を喉に詰まらせたまま
糊口、に、イル
だけ、の、よこしまな腐った蜜柑だ

--von-Gierke
 フォン・ギエルケ
 不協和音

僕の
口を糊、するのは
名前のない馬の
匂いのないエロチカ/ただしcolorful

--von-Gierke
 フォン・ギエルケ
 不協和音

僕に
刻印された
蒼い蒼い孤高の色
こんこんと溢れる、
    「ココニイル」
ことの、「ふざい
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