夜の海/
麻生ゆり
それは 全てを飲みこむようで
満ちては 引いていった
どうして あそこまで残酷なのか
わからなくて 怖い
まっくらな中に ぽつんと
赤い星が 浮かぶ
私は その名前を知っていても
なぜか 呼べず
泣けるものなら泣きたいと
ただ ちぎれるように 叫ぶ
海に 何もかもを もっていってもらいたくて
ひたすらに 叫ぶ
何でもかんでも 吐露して
何でもかんでも もっていけばいい
それが私ごとでも何でも
もっていってしまえばいいんだ
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