カリフォルニアビデオジュース/カンチェルスキス
 
時に終わる。死体は折り畳んでトートバックに入れる。それからスーパーマーケットの野菜コーナーを好きなだけうろつく。そうするとトレイ回収箱が目に入ってくる瞬間が必ず出てくるから、そんときトートバックの死体を取り出し、サンキューの方角に向かって投げる。そうっすと無事成仏される。
 生き残った者は、自分たちの部屋に戻って、風呂上りに冷奴をつつきながらヤクルトを飲むんだ。心地よい疲労を感じている。生き残れてることに満足感を覚えるものの、来週のならず節の時間が気になってくる。来週は生き残れるだろうか。それは確かな不安となって、身体の重心に落ちてくる。
「もうやめてしまおうか、ならず節。自分、ならず者に憧れ
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