陽のあたらない街/
しでん
ぼくが辿り着いたのは
陽のあたらない街
揮発性の感情が歩かせた
その道の果て
夜行性の衝動に走らせた
くだらない羽
五月雨が心を伝う
晴れの予報は外れたが
午後には晴れた …らしい
それはきっと
虚しさを忘れた証
もうそろそろ
蒸発してしまうのだろう
ただいま
ぼくが辿り着いたのは
陽のあたらない街
おかえり
陽炎が静かに揺れていた
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