まちあわせ/
しでん
五月のありふれた憂鬱に
からみついた幻
信じ切れない言葉が
ぼくの足首から離れたら
待ち合わせの場所で
君を待つとしよう
電線で休んでいる鳥は
手招きをするように
羽を広げ 羽ばたこうとする
それはまるで ついてこいと命令しているよう
しかし ぼくはここに留まったまま
それを見ている
絶え間なく動く人波の
真ん中で
それを見ている
君を待っている
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