不細工なカーネーション/快晴
 
ンは
いつまでも自慢げに玄関に飾られていた

そのうち私も当たり前に反抗期を迎え
母のことも避け見えるもの全てを憎んだ
ついに手をあげてしまった時
母は台所の隅っこで小さく肩を震わせていた
私は握りこぶしで自分の頭を殴った

他人の愛し方を知らなかった私は
いつも誰かの心を引き裂き続けた
そんな私のシャツのシワを伸ばす母の背中から
私は目を逸らすことが出来なかった

「産んでくれてありがとう」と素直にはまだ言えないけれど
いつか母が元気なうちにそれだけは伝えよう
ただ一つだけ教えさせてもらうなら
覚えたての絵文字の使い方が少し変だよ

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