夢の友人/はじめ
時々にしか会えない 僕の夢の友人
友人は僕のことを全て知っていて 親友と呼ぶのに相応しい人物だ
僕も友人のことを全て知っている
無限とも思える夢の中で 初めて会った時に僕達は阿漕な宇宙が輪廻を一回するぐらいの時間自分達のことを語り明かした
友人はとても優しかった しかし友人の声は聞こえなかった 伝わってくるものだった それから僕の頭の中は夢の中の友人のことで頭がいっぱいだった 機械に溢れたこの灰色の凝縮した都会の中で 僕は乗り物に揺られながら生きているのか死んでいるのか分からなかった 夢遊病者のような生き物がたくさんいて 僕もその一人だったのかもしれない 僕のような人間は夢だけ
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