エンド ファイル ナンバー賽/秋也
賽は振られた
目が六では足りないから
賽を追加
七
きっちりと納まる
そう、確率の問題なんだ
一番出やすい目で
一番望まれる数
二つの賽を手放す前後
前には出目の総てを握り
後にはもう出目の感触すら残らない
でも結果七なんだ
だって七だとハッピーだろ
神様もきっとこうやって世界を創られた
付け加えるなら
僕たち社会もきっとそうやって
賽を握っては手放し
七をきっちりだす
二や十二、ゾロ目の運命を
手の中に握りながら
放した瞬間
二つの賽は七を位置づける
まったく
賢い生存選択だ
嘘だと思うなら
手の中で転がしている一つの賽
まずは二つにして
目の前に転がしてみればいい
ほら
七だ
それしか出ないんじゃない
それが結果なのさ
認めて
今日も、明日も生きよう
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