Cut-U/
六崎杏介
炎上ピアノ、遠く荒む湾に
照るToy・劣等たちの微尉為す安堵
無産んで、絵に射た「忌む」
憂時、演じ得る十字切り裂くUの空は
灰黴か美化、焉上の揺り籠には
舞何時と彼岸花が詰まっていて
炎上ピアノが燦々とはぜて音慈れる。
そうして甘美な惰液が
弛緩の勝利を歌っている
硬質に散逸したスネアーを
柔らかい恐怖が掃く
善き稀月の夜に。
戻る
編
削
Point
(1)