空が笑ったら/
望月 ゆき
空が笑ったら迎えにきて
そう言って
きみは去っていった
わかった
とぼくは言った
ぼくは
今もあの時のあの場所に立ち
一歩も踏み出せないまま
シャボン玉をとばしている
空のせいではない
雲ならいつも笑っているし
風ならいつも笑っている
太陽はときどき 泣くが
それはそうとして
空のせいではない
空が笑ったら
ってきみは言ったけど
それがどういうことなのか
ぼくには
てんで わかんないんだよ
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