苺を求むる/カンチェルスキス
 

 
  


 わたし、苺をいただこうと思って、近所の自動販売機まで出かけましたの、そしたらば、それは偶然、ペプシの自動販売機でございましたが、なんとも、苺は売ってませんのよ、懐疑という二文字がわたしの足の裏で点滅したのでございますが、当然のことながら、周囲のみなさんには見えてないに違いなく安心していましたところ、たくわんの根っこのほうの先っちょを口から少し出してる通りすがりのお婆さん(もしかするとお爺さんだったのかわかりません)についてる杖でもって、指差されましたの、
「わしは目が悪くて文字がよく見えんのじゃが、あんたの足の裏でなにか点滅しておるよ」
 わたし、ハッとして、思わず
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