道中脱落/秋也
 
「おい、何泣いてんだよ、おい、おい」
「もう、無理だ」
「何が」
「一緒に歩けない、ごめん」
「ふざけんな、ちょっと疲れただけだろ、休め」
「違う」
「何が」
「だってさ、まだまだ道続いているんだぜ」
「だから、最後まで一緒に歩くんだろ」
「先見えないけど、見えるんだよ」
「は、意味わかんない、また始まった」
「ごめん、ほんとごめん、手離していいかな」
「マジで言ってんの、せっかくここまで二人で歩いてきたんだよ、景色だって最高だし、楽しいじゃん、考え直せよ」
「俺はここまでだわ、君と途方もない見えない先があること見えてよかった」
「で、どうするの引き返すの、それともここ
[次のページ]
戻る   Point(1)