記述/むらさき
の骨をなぞった
誰かが迷いこんだとき 道しるべになりますように
あたしはあんたのことがきらいだと言う
猫背になったあんたは しわくちゃになったぶどうを
ぽつり ぽつりと口に運んでいる
あたしにはなんの文句もない
いつもどおりの怠慢で おんなの子のつもりになる
読みかけの物語は窓からすてて
そろそろ詩でも読みましょうよ
(四角い部屋に あたしの声がひろがって
ことばのしみが飛びちっていく
ここはもう
あたしの部屋にはならない)
あんたの太ももに両足をのせて
大きくなったり
小さくなったりする文字を
追いかけていく
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