時代遅れの漂流者/快晴
今までにどれ位の人達が
私の前を通り過ぎて行っただろう
何かを与えてくれる者もいれば
何かを奪い去って行くだけの者もいた
でも今となってしまっては
そんなことはどうでもいいこと
さっさとこの蛇口をひねって
綺麗に水に流してしまおう
それに最近に至っては
自動で水が流れる仕組みになっていて
ますます私達には好都合
あぁ、なんて素晴らしい!
全く便利な世の中だ
この人差し指だけで
何でも簡単に消してしまえる
世界は窮屈な自由なんかより
自動のほうを選んだみたいだ
感情さえもベルトコンベアーに乗せられて
何でも自動に、自動に、自動に
でもなぜか胸が痛むんだ
なぜか涙が止まらないんだ
どこまでも続く動く歩道の上で
君は笑っているけれど
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