ミシガン・レリックス /AB(なかほど)
 


教授の息子は
父親の話す世界を
土を捏ねてひとつずつ作り
アダムやイヴのかわりに
幼いころから憧れていた
ネイティヴの顔を描いた

はるか

はるかの時の後で
ただ

言葉や道理がわからないのではなく
本当のことがわからない
ただ
その方舟は
お父さんのために作ったんだ

このままの気持ちが
いつかは遺物になるのかもしれない






造ったものを埋めようと思い
草原を掘っていたら
本物が出てきてしまった

その土偶に
隣のミヨちゃん
という名前をつけて
博物館に送った

ねぇミヨちゃん
僕は あといくつ

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