ミシガン・レリックス /AB(なかほど)
1
教授の息子は
父親の話す世界を
土を捏ねてひとつずつ作り
アダムやイヴのかわりに
幼いころから憧れていた
ネイティヴの顔を描いた
はるか
はるかの時の後で
ただ
言葉や道理がわからないのではなく
本当のことがわからない
ただ
その方舟は
お父さんのために作ったんだ
このままの気持ちが
いつかは遺物になるのかもしれない
2
造ったものを埋めようと思い
草原を掘っていたら
本物が出てきてしまった
その土偶に
隣のミヨちゃん
という名前をつけて
博物館に送った
ねぇミヨちゃん
僕は あといくつ
真
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