嘘/
森下 流華
嘘は夜につくといいよ
あの人がそう言った
特に夜が深ければ深いほど
真実が闇の中に入り
人間も影に身を潜めて
やがて「嘘」が「本当」になるんだって
今夜はまぶしいお月様
でも
街の中の明るさにはかなわない
今晩はどんな「嘘」が
徘徊するのだろう
戻る
編
削
Point
(4)