プリミティブ/マッドビースト
 
 鮮やか過ぎた花は
 もう大昔に獣達に食われて
 絶えてしまったのかもしれなかった
  
 夕日は 金色と形容されてしまうには
 あまりに深みのある美しさだ

 どの名画のにもない
 その色を禁じれば革命が起きたかもしれない
 安定しきった社会では生まれない色
 そんな花が咲いてた季節もあったのかも
 
 もしもその色のペンキが 
 明日発掘されて
 
 そのペンキを手にした
 考古学者が好奇心を押さえきれずに
 ポストをひとつその色に塗ったとしたら
 
 そこから世界は変わることができるだろうか

 早朝から通りかかる何人かの運命的通行人は
 そのポス
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