帰りたい場所/黒子 恭
 
る、ように
 
  ―揺られている。
  ―包まれている。
 
 
 
拝啓
母さん、あすこは
少しばかり渇いたものがさ迷っているので
心音の波打つ躍動は聴こえないので
今日、夕陽が沈む前にでも
その優しさに 帰ります。
そしたら また、あの頃のやうに
微笑みたいと 思うのです。
 
今から、三時の便の
切符を買います。
 
 
 
 
 
 
 

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