大きなノッポの樹乃下day/影山影司
診察はお終いだ。また来週来なさい」と、聴診器で僕の胸を小突いた。
僕が、学生服のボタンを閉めて、椅子から立ち上がると、ナースがベッドの上に登って手招きしてきた。「ありがとうございました」後ろ手で扉を開けて、出て、閉める。扉には「I HATE YOU」と書かれていた。
部屋の外の廊下に置かれたベンチ。で数分待て、との事だったが、数分待つ内にギシギシとアンアンだのと聞こえてきて非常に滅入ったのでその場を離れた。医局の廊下は何処までも長く何よりも白く、スタンリィキューブリックが好きそうな世界であった。
中庭に逃げると太陽までもが白っぽい光をSUNSUNと吐き出していた。ポカポカ陽気で
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