大きなノッポの樹乃下day/影山影司
 
世俗の毒へ破壊されて死に至った。
 不安に高鳴る心臓だけが残った。もう僕には、脊髄も脳も生身で残っていない。それぞれがそれぞれとも異様の何かに変態を遂げ、心臓だけがそれらを繋ぐポンプとして活動を続ける。
『こんな様でも、生きているというのですか』
 大樹の先端から電波を飛び散らす。
 もうダメだ。肉体に宿る精神は、もう跡切れる。
 何かを、何かを伝えなくては。生存本能に依るモノではなく、生存理性に依る何かを。人間として、生きた証を、残し、たい、ような、気が、していたが、しかし、すでに、もう、どうでも、よく、なりつつつつつあR。
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