大きなノッポの樹乃下day/影山影司
 
気でホカホカに暖められた芝生に寝転がると、僕の黒い衣服は、まるで園芸品店に売られているような、肥料をまぜこぜにした黒土と貸した。「しまった。学生服は、栄養価が高いんだ」だから中高年はセーラー服を好むんだ。ウナギの蒲焼きを食うみたいに、セーラー服を好むんだ。
 まさか裸で立ち上がりすたすた立つわけにもいくまい。と困り果てていると、僕の黒人肌からにょきにょきと根っこが生え始め、ザグバグと芝生を食い始める。やめろよ、税金で養われているものだぞ。と注意しても根っこは止まらず、しまいには深々と根差してしまったのである。

「今なら間に合うわよ」と二階の窓、先ほどのナースが、にやにやと見下ろす。「500
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