錆びてるけどまだ在る/043BLUE
 
陸橋の金網の
(一区切りの)
空の一つ一つしか
知らなかった頃の
純粋を

誰かが
破いて開けた
抜け穴から
飛び出せずにいた頃の
痛みも

どこへ
渡ろうとしていたのかさえ
思い出せない
まま

何を
避けようとしてたのかさえ
分からない
まま

もう
錆び付いてしまって
取り戻せずに

ぽろぽろと
剥がれ落ちてゆく

ぽろぽろと
喪ってゆく

戻る   Point(1)