背中/千月 話子
 
焼けに眠る私 朝焼けに眠る

隣の家のお姉さんが
赤ん坊を産んだ朝
2人して繋がったまま赤く燃えている
泣いたら愛しい 血だらけでも可愛い
光りから降りてきて 光へと進む子供

「背中に羽根が生えているみたいね」
と 母が言う
お母さん 私達も出会った頃は
2人して 羽ばたいていたね
私は飛ぼうとして 
あなたは抱き締めようとして
一生懸命 羽ばたいていたね

 美しいものは 誰が決めるの?
 皆 朝日で輝いているのに






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