老残の詩(うた)十一/信天翁
 
  1955年12月31日
濁った音色は袋小路を放浪していた

  1965年12月31日
あおい時は権威を黙殺していた

  1975年12月31日
あかい空は瘀血を心配していた

  1985年12月31日
しろい風は歪んだサムネルを揶揄していた

  1995年12月31日
くろい光はニヒルをクローズアップしていた

  2005年12月31日
もろいトルソは自ら冒涜した螺旋階段を降り始めた
   
  
戻る   Point(1)