コンクリート塊/白昼夢
 
1、序章

また無機質に囲まれて、空調の悪いコンクリート塊の中で、くだらない話を聞く。
すべて幻ならいい。考えなくてすむ。でもそれすら無駄なこと。
考えることすら無駄なことだ。
それは人工石だった。

2、進行

区切り目を越えて、またその前に戻る、でも違う景色が一つも見えない。何故だ。
どうしてコンクリート塊の中に自ら足を進めなければならない。
空気が澱んだ牢獄、その中で人を牢獄に入れる卵を育てる。
皆腐った魚の眼をして、カリキュラムの中だ。
皆モルタルの中で泳がされている。
また一歩、足を進めないといけない。出られるまで泳がないといけない。綺麗な建物の中はすでに風化
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