ななかまどの実は/
北野つづみ
ななかまどの実は優しい
目覚めるにはまだ早いの、と
種を包んで眠らせる
外は雪、小鳥たちには信号
わたしはここよ
赤く光って合図する
ついばまれる実
やがて種は
生まれた場所を遠く離れて
目覚めの時を迎えるだろう
わたしたちには永遠に分からない
いま、かちりと音がして
ひとつの環が繋がった
ひとつの環を繋げた
その価値を
誰が真実、評価するのか
二〇〇七年二月二十日
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