「焼き鳥しげ」-酔っ払いバージョン-/ゆいしずと
 
はタオルが敷いてあるんだ
そこではいつもばっちい茶色い婆さん猫が寝てた
よだれをたらしながらね

焼き鳥を頼むと
マスターはいつも一本多く焼くんだ
猫たちへのおすそ分けのぶんさ
でも本当はタマは
焼き鳥より刺身の方が好きだったんだけどな
とくにカツオが

そうこうしてるとシロとミーがじゃれあって
店中を駆け回るんだ
だれひとり嫌な顔をする客なんて居なかったけど
そんな店だったんだ

そんな「しげ」も
ある日行ったらついに暖簾が外れていた
それから何日かたつと
店のあった場所には変わりに
大きな黄色いパワーシャベルが止まっていた
横の金網には
白い看板がか
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