たそがれどき/
望月 ゆき
空が群青を増す
黒い鳥の列は視界を横切り
どこかの汽笛をよそに
寝床に向かう
遠い汽笛、の中では
知らない誰かが
知らない誰かと
別れ、を歌っている
そこには色さえも、ない
別れの歌を聴きながら
テールランプがしみて
視界不良だ、と
舌を鳴らす
しみたのはたぶん
眩しさ、
ではないが
夕暮れの空が
ひどく涼しい
ラムネももう
全部食べ終わっちゃったよ
ねえ
僕に、何ができる?
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