きょうふ。/箱犬
ぼくはどうしようか
石を拾うんだ 小さな石を
それを投げ込むんだ それも気がとおくなるほど 何回も
ぱた ぱた ぱたりと みずは水面を上げて
いつしか泉はいっぱいの小石で、盛り上がって、水が。
水がね。
ね。
また飲めるようになったんだ。
水がね。
ね。
また飲めるようになったんだ。
それがぼくのきょうふ。
それがぼくの恐怖。
取り除けない小石が
いつか湧き立つ水を埋めてしまっているのが こいしが
水、水という名のぼくの世界が
こいしで埋まっているよ。
こいしで埋まっているよ。
こいしで埋まっているよ。
これがぼくのきょうふ。
これがぼくの恐怖。
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