あまがえる、再会/なかがわひろか
久しぶりじゃないか
思わずそう言った僕の方を
あまがえるは振り返る
久しぶりのあまがえるは
少し痩せて見えた
仲間の合同葬儀なんだ
彼はそう言った
この時期になるとよ
若いやつ等が車に轢かれて死んじまうのさ
あれだけ公道には出るなって言ってるのにさ
死ぬ順番間違えやがってよ
あまがえるはとても悲しそうだ
僕は何も言えず
黙って聞いている
一匹ずつやってたら間に合わねえから
こうやって週にいっぺん
一緒にやってんのさ
あまがえるは少し涙ぐむ
よかったら
手え合わせてやってくれよ
僕は両手を合わせる
僕は何かを言おうと思ったけど
気の利いた言葉を思いつくことができなかった
本当にバカなやつらだよ
あまがえるの声がかすれる
(「あまがえる、再会」)
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