旅(十)/
信天翁
うすあかりの気配がする
長いトンネルの出口
機関車の先方に見え隠れするものが---
それは・・・
夜明けの白い漁り火なのだろうか
落日の赤いかがり火なのだろうか
真夜中の青い鬼火なのだろうか
それとも 実態は
車窓のガラスに写る
皺だらけのトルソなのだろうか
錆びついたミラージュなのだろうか
ひょっとして
凝視したら忽ち消えてしまう
星屑なのかも知れない
それは・・・
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