名前をよぶ/美砂
 

母親が
名前をよぶ
大きな声で
どこからそんな必死な声がでるのか
あなたの姿がみえないからだ

名前は名前
どれほど
かわいくても
どれほど
しゃれていても
どれほど
字画がよくても
また
字画がわるくても
名前にすぎない
ただ、
愛しい人によばれるとき

名前は
宇宙にたったひとつのものになる
あなたを求めて
あなただけに
とどくように


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