さよならララバイ/ロリータ℃。
塩辛い海水を浴びて
彼が苦い顔をした
苦虫を噛み潰した、みたいなお顔
私は笑って、意地悪な気持ちで海水を蹴飛ばし彼にかけた
逃げれなかったね、と優しく囁いてみる
ママの声みたいな柔らかい声で
ねえ、馬鹿だよね
空はあんなにも赤く燃えて
涙は勝手に流れるばかり
何処に行ったって、何も変わらないよ
痛いのは孤独なの?
ねえ、空はあんなに赤くて
怖いくらい 美しいね
汚れた私たちにもわかるくらい
美しいね
手を繋いで
何処にゆこうか
びしょ濡れのまま、迷子のままで
帰る振りして周りを誤魔化して
二人ならできるでしょう?
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