故郷の回想/はじめ
 
 僕の故郷(君の故郷)を時々思い出す
 澄んだ青空が僕の胸に吸い込まれる
 あの何度も塗り直されている鉄橋 あの春には染井吉野でいっぱいになる国一番の長さを誇る川の堤防のいつもの帰り道 夜を彩る山の展望台から見た歓楽街とビル群の交差する大量のネオンサインと光の灯
 そして僕は心の底で雄大な山々に囲まれた故郷の中心街を思い出す そこは絶え間なく交通の便が滞っていて 信号機が休む間もなく点滅し働いている 僕の故郷には地下鉄というものが無い 路面電車は復活しない
 三浦綾子が生まれ井上靖が生きた地だ 僕は3番目に有名になれればいいなと思っている 僕は病を背負っているが 彼らにも負けない人生を境
[次のページ]
戻る   Point(4)