渚のヴィオロン/Rin K
 
を綴れても
憎むことのできない花の白
静寂にあまりにも映えて
欠片のようなネイロがこぼれる

ほら、 ごらん、星砂
まぎれもない生きたものの、欠片

     *

誰かの代わりに連れる影
切り出せなかったこころの代わりに、細波が
寄せる 絶え間なく
やわらかく

遅れた時計に代って
遠ざかる隙間を刻むヴィオロン

失くしたものはかけがえ
どれだけ似たものも代われはしないから
波、かぎりに響け

        渚が、かすれゆく




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