光跡/
信天翁
綿雲を飲み込みながら
ジャンボ機が鮫のように
虚空の海を我が物顔で
生まれ故郷にむかって泳いでゆく
逍遥中の私は
その遠退く鮫を追いかけた
ねこぜをそらし老眼を凝らして
あゝ そのとき
なんということか
爆音の真っ白いエコーが
逆に迫ってくるではないか
にびいろに裏打ちされた過去と
透明に表装された現在とが
透徹に打ちのめされるであろう
未来図となって
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