白いカラス/はじめ
になった 僕はもう一度聖書を読み直し 「僕は間違っていない。聖書の教えに反していない。正直になること。これが聖書が一番言いたがっていることだ。僕は正直に生きている。この手術も。白人になることは僕が正直に生きることの最大の証になるんだ」と思った 僕は手術の決心をした そして手術…
僕は生まれ変わった自分の体を見て「グレイト!!」と叫んだ が その一言だけで僕の体には言いようのない恐怖が走った 鏡の前の自分が僕の考えていた真っ白な自分と違っていたからである 恐怖心を君に振られる恐怖に混ぜ込んで 君にもう一度告白してみた すると君は
「たとえ白くなったって白いカラスはカラスのままよ」と言い捨てて帰ってしまった
白いカラスはカラスのまま… 体に流れる血液がどす黒く映ったような気がした しょせん黒いカラスは前世の白ガラスには戻れないのである 僕は肩を落として夕日の傾く方角へとぼとぼと帰って行った…
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