大道の宵/板谷みきょう
ざいませんが、心の中身か、頭の中が片輪の者でございます。西洋渡来の洋三味線をかき弾き鳴らし、唄いまするは、ぶざまで醜いこの姿。本日ただ今、偶然に通り掛かりの皆様方のお一人お一人それぞれに、果して私の胸の内、思いの丈が映り出されて来ますかどうか。あぶり出しではございませんが、見事心の醜さと身の程知らずの自惚れに、物の哀れを誘った方は、心ばかりのお恵みを。何卒、宜しく御願い奉りつつ申し上げ、唄い始める所存でございます。はてさて語りはこれ位、まずは聴いてのお楽しみ。
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