流星/さき
 
死んでも良い
そう思っていたのに
壊れたように星が降る
この夜が
恐かった
哀しいことだが
どんな目にあっても
恐いものはなくなったわけではなかったのだ
星は物語のように
優しく話しかけるわけでもなく
ただ暴力的に
貧しい大地に
身を落とす
夢を見ているようだ
災いはこんな夜に起こる



いつだって
失ってから気付く
フェンスから
足を踏み外し
高い堤防から
暗い川に落ちていく
仰向けに
天上を振り仰ぐ



星は
こんなに美しく
最後まで美しく
あたしを魅了し
滅ぼし
世界を破壊しつくしていく



美しいものを愛さずにいられない


人が


世界が


とても


可哀想だ















戻る   Point(5)