さなぎ/暗闇れもん
こんな夜は体の内側がザワメクのね
初めて知った
だから
さなぎ、みたいに体を丸めて
柔らかい布団にもぐりこんで
夜が明けていくのを待ったの
窓に当たる雨音も
カーテンに映る影も
目に映る全てが怖いおばけみたいに見えるから
体をさなぎ、みたいに丸めて眠ったの
もう大人なのに可笑しいでしょ?
いつもなら傍にいる温かい貴方も
今日はいなくて
寒い
きっと誰かのお布団の中で
体を丸めて温めているのだと思うと
堪らなく
寂しいの
昨日、抱きついた貴方から香る
知らない花の香り
何故か
悲しさよりも
笑いが込み上げた
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