深淵の森へ/はじめ
イヤホンをして「ドラマチックレコード」を聴いた時だけあの頃に戻れる
深淵の森へ 僕と君は歩いていく
果てのない 親密な闇が濃密さを増す 無限の時間が安心させる 君の八重歯が光る
僕は途端に悲しい気持ちになる 地面は腐葉土で植物達の栄養には丁度良い
道無き道を慎重に通っていく 2人で自殺する為だ
僕はもういつ自分が無意識の内に自殺してしまうのか怖い
古い記憶にあった湖に辿り着くと僕達は朽ちた倒木に腰を下ろした
君はいつもの格好で来ればよかったのにあの時の格好で来てくれた
栗鼠が団栗を湖にポチャン と落として小さな波紋が広がっていった
神様は言った 「もうここで人
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