外面菩薩内面夜叉/板谷みきょう
嗚呼!・・・・・
神田書店でビニ本を
二千五百円で買った あんたは
後ろめたさも感じる事なく
かえってウキウキ気分
ウエシマで彼女と待ち合わせ
淫靡な瞳 探りながら
ビニ本モデルとだぶらせて
テーブルの下で勃起する
体を開くことを覚えた彼女は
しかし
女の悦びを まだ知らない
ポケットに忍ばせた
コンドームを使う事のないあんたは
女を安心させるための小道具としてしか
コンドームのことを考えておらず
そして
使うつもりも さらさらない
やばくなれば 別れてしまおうと
それを 切札と考えている
仲間内であんたは 女の数とナマの行為を
誇らしく語り
仲間の方ではあんたは 堕させた女の数だけが
まことしやかに 噂される
下心ある優しさは 酒の席では饒舌で
「騙された方が悪いんだ。」と
泣いてる女の前では うそぶいて
それがあんたの本性だ
それがあんたの本性だ
そして俺の…
喝!
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