ねじを探して/茉莉香
 
実家の道を辿った
小学校と中学校とそして高校までの道も
いつも会社に行く道も
家の中もくまなく探した
必ず何処かに私のねじはあるはず
たまたま落としてしまっただけだ

はたと気がついた
ねじの入る場所はどうなっているのか
覗こうとした
でも見えない
闇の中に涙が伝った
でも無い

空洞のココに入るねじは
もう無いの

大事なものをなくした
でもいらない物だったのかも

私は自分も意味の無い存在の気がして
そのまま
動かなくなった
もう
動かなくなった
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