ねじを探して/茉莉香
実家の道を辿った
小学校と中学校とそして高校までの道も
いつも会社に行く道も
家の中もくまなく探した
必ず何処かに私のねじはあるはず
たまたま落としてしまっただけだ
はたと気がついた
ねじの入る場所はどうなっているのか
覗こうとした
でも見えない
闇の中に涙が伝った
でも無い
空洞のココに入るねじは
もう無いの
大事なものをなくした
でもいらない物だったのかも
私は自分も意味の無い存在の気がして
そのまま
動かなくなった
もう
動かなくなった
戻る 編 削 Point(1)