新世界/
山中 烏流
もう泣いてなどいない
押し黙っている
押し黙って、いる
(もう、泣くことすら、)
(全てを運命として)
朝が来て
新しい世界の片隅に
彼等は存在しなくなる
最初から
居なかったのだと
なる
(こんな世界、ただの)
そうして私は、今
隅っこで
うずくまって
(本物の)
新しい世界を
望んでいる
迎えに、行こうと。
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