新世界/山中 烏流
 

もう泣いてなどいない
押し黙っている
押し黙って、いる
 
 
(もう、泣くことすら、)
 
(全てを運命として)
 
 
朝が来て
新しい世界の片隅に
彼等は存在しなくなる
 
最初から
居なかったのだと
なる
 
 
(こんな世界、ただの)
 
 
そうして私は、今
 
隅っこで
うずくまって
 
(本物の)
新しい世界を
望んでいる
 
 
迎えに、行こうと。
戻る   Point(6)