うず/九谷夏紀
 

どこからくるものかはわからなくても
ここちよくて
うずは中心へ向かう
たどりつける場所を知っているかのように

変わらないものがあったよ
動いたら
わたしが変わって
ずれてしまったあなたとの位置から
あたらしいあなたが見えた
変わらなさはもっと変わらなくなったから
ねえ よかったら
もうすこし
くりかえそう
おなじところをいつまでもめぐるようで
おなじじゃない
いつまでも拭えないものもあるけど
投げ捨てた分身は飼い慣らしてくれていいんだから

うずが消えないのなら溺れればいい

耳をすませて
うずの音を聞いていよう
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