うず/九谷夏紀
じっとしていたら
こじれることはなかった
もしかしたら
どちらにしても
すべてを止める方法なんかない
あなたも
わたしも
渦巻く関係性のなかで生きている
予感や実感を
それぞれに見出だしたいって強く思っても
なにものにもすがれないから
わたし
一瞬
きずつくの
いつも
相対する感情をあなたに言いたくなる
「わかるよ」
「わからないよ」
「友達だよ」
「友達じゃないよ」
「もう離れるよ」
「もう離れたくないよ」
ねえ だからそばにいきたい
あなたとの
うず
いつまでも終わらないのかもしれない
他人も理屈も飲み込んでしまうちからは
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