ぼくは詩を書こう/
 
ーのよう

目のまえでうたってる
きみはいつもここにいない

だからいつまでもぼくは
きみで生まれつづけられる

きみと同じにモニタのまえで
うたってる
ぼくの声は
圧倒的にいつも
不在感をたたえて

きみがいない朝
だからこうしてぼくは
いつまでもぼくの
筆を走らせつづけられる


きみがいないじかん
に書いた
面と向かっては とても
いえない
くだらない詩ばかりさ
さも無表情な、
中井貴一の目で書いた
莫迦々々しい詩ばかりさ

そしてきみはいまここにいない

いつかきみが帰ってくるまでの
きみが間に合わなかった
じかん

だからこうして
ぼくは詩を書きつづけよう
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