ぼくは詩を書こう/
 
ない

きみがここにいないじかん
このじかんだけがいつまでも
ぼくをここにいつづけさせてくれる

やがてほんとうのきみが帰ってくる
きみが帰ってきたとたん
ぼくをつむぐ誰かの手はとまり
ただちにぼくはぼくのじかんから
パージされてしまう

ぼくはいつもきみの
じかんに間に合わない
きみはいつもぼくの
じかんに間に合わない

きみがここにいるとき
ぼくはここにいられない

そしてきみと誰かのじかんがはじまる


と書いて、うそだ

そもそもぼくはいま
♯彼女の部屋 になんていないし
はじめから きみ なんていやしない
かなしい独居男のげんじつだ
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