ぼくは詩を書こう/ツ
ない
きみがここにいないじかん
このじかんだけがいつまでも
ぼくをここにいつづけさせてくれる
やがてほんとうのきみが帰ってくる
きみが帰ってきたとたん
ぼくをつむぐ誰かの手はとまり
ただちにぼくはぼくのじかんから
パージされてしまう
ぼくはいつもきみの
じかんに間に合わない
きみはいつもぼくの
じかんに間に合わない
きみがここにいるとき
ぼくはここにいられない
そしてきみと誰かのじかんがはじまる
と書いて、うそだ
そもそもぼくはいま
♯彼女の部屋 になんていないし
はじめから きみ なんていやしない
かなしい独居男のげんじつだ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)