ぼくは詩を書こう/
 
ぼくは詩を書こう
猫がいるような部屋で
とりあえず
ぼくは詩を書こう
そんなうたを聴きながら
きみのことを考えながら
きみがいないこの部屋で
とりあえず
ぼくは詩を書こう


きみはここにいない

そのあいだだけぼくは
ぼくでいつづけられる
きみはぼくのまえにいない
そのあいだだけぼくは
ぼくの筆を走らせつづけられる

ぼくはいま
誰かの手でつむがれている
名もなきエクリチュール

そしてきみはここにいない
そのあいだだけぼくは
きみで生まれつづけられる
そのあいだだけぼくは
きみという夢をみつづけられる

そしてきみはいまここにいない
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