ぼくは詩を書こう/ツ
ぼくは詩を書こう
猫がいるような部屋で
とりあえず
ぼくは詩を書こう
そんなうたを聴きながら
きみのことを考えながら
きみがいないこの部屋で
とりあえず
ぼくは詩を書こう
きみはここにいない
そのあいだだけぼくは
ぼくでいつづけられる
きみはぼくのまえにいない
そのあいだだけぼくは
ぼくの筆を走らせつづけられる
ぼくはいま
誰かの手でつむがれている
名もなきエクリチュール
そしてきみはここにいない
そのあいだだけぼくは
きみで生まれつづけられる
そのあいだだけぼくは
きみという夢をみつづけられる
そしてきみはいまここにいない
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)