土曜日の森/はじめ
様々な緑の葉達は 枯れ果て 落ち葉となって地面に敷き詰められていた 僕の曲調もバラード系になっていった 僕はもうこの森を出なければならないことを知っていた
僕はピタッと弾くのを止め みんなに言わなければならないことを告げた「僕はもう帰らなければならない時間が来てしまった。みんなには悪いけどもう帰らないと」 すると妖精や精霊達は泣き 少女も目を赤らめて僕に近づいて来た 「楽しい時間をありがとう。とても楽しかったわ。あなたがいなくななるのは残念だけど、またいつでもこの森に遊びに来てね。待ってるわ」と言って少女は僕の頬にキスをした 僕は皆に「また来るよ」と涙を流して さようなら と手を振り晩秋の空間を抜けて春を抜けて夏を抜けて冬を抜けて再び霧の中を抜けた
意識を現実を戻すと既に子午線を過ぎていた 僕は終わりかけの仕事を終わらせ 煙草の煙を溜め息と共に吐き 昼から缶ビールを飲む為にセーコーマートへ車を走らせた
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